相続税が改正されました
――課税対象となる世帯が増えています。
遺産にかかる基礎控除額が平成27年1月1日より引き下げられた(平成25年度税制改正)ことによる影響で、相続税の課税対象者が拡大しました。平成27年度発表の国税庁の資料【図1】によると、亡くなられた方の数が平成27年度は約129万人(平成26年度は約127万人)であるのに対して、相続税の課税対象となった被相続人の数は、約10万3000人(平成26年度は約5万6000人)で、課税割合は4.4%から8.0%へアップ。つまり、今までは相続税の課税対象外だった方にも、相続税の請求が来たケースが増えたのです。
被相続人に対する課税割合が平成26年度に比べ、約1.8倍に急上昇していることが【図2】から読み取れますが、さらに加速度がつくものと予測されます。
あなたの相続税は大丈夫ですか?
相続税は、(正味)遺産額が上記式により計算された額(基礎控除額)を超えた部分に対して課税されます。
今までは相続税が課税されなかったケースでも、課税対象となるおそれがあります。
相続税に備えるためには?
同じ国税局発表のデータから相続財産の種目別構成比のデータを見てみると、「現金・預貯金等」の項目の割合が年々増えている傾向が読み取れます。資産を処分・売却し現金化がなされた証です。相続税の課税対象が増え、その日がやってきた時に相続税がいくらになるのか。不安になる前に、現金化して納税に備えようという意識がデータに表れています。
つまり相続税に備えるには、お手持ちの資産を現金化しておくことが備えになるとの認識が広まっているのです。